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 お久しぶりです。……書くたびにこう言っている気がします……

 今回お話したいのはグリム童話について。前回の記事は浅いどころか考察もしていませんからね、今回はもうちょっと考えてみます。
 扱うお話は『子どもたちが屠殺ごっこをした話』。初版だけにしか載っていません。知名度は如何ほどなのでしょうか……
 それでは、興味のある方はつづきをよむからどうぞ。


 まず『子どもたちが屠殺ごっこをした話』から触れていこうと思います。
 この話が二版以降削除された理由は「子供向きでない」でした。はやい話がグロいんです、このお話。二部構成になっていて、一部はまあ言いたいことは分かるのですが、二部はどうにも理解しかねます……。あらすじは以下の通り。

幼い子どもたちが屠殺ごっこをして、豚を潰す役の子供が豚の役の子供の喉を掻ききってしまいます。しかしこれは「遊び」ですから子供に悪意はない。子供をどう裁くか困りかねた大人は両手に金貨とりんごを一つずつ持ち、子供がりんごを取ったら無罪、金貨を取ったら死刑とすることに決めます。そして子供はりんごを取ったので、無罪になりました。
 すごく皮肉なお話ですよね。現代でも、他の国の話でも、こういった類の話はよくあると思います。不条理とでも言うのでしょうか、読んだ後に「何かが違う」という気分になる。悪意がなければ罪でないのか、またどんな事情があろうとも罪を犯すのはひどく裁かれなければならないのか、という問題は現代の裁判にも出てきます。
 
ここまでは分かるのです。いよいよ問題の二部のあらすじを。
 今度はある兄弟が屠殺ごっこをします。兄弟には赤ん坊の弟だか妹だかがいて、その子は母親の手でお風呂に入れられていました。こちらでもやはり、一人の子が相手を豚に見立ててその喉を刺しますが、相手の子は痛みに耐えかねて自分に刺さっていたナイフを抜いて刺してきたほうの子に突き刺します。大声を聞いて兄弟たちのいるところへ来た母親はその状況を見て戦慄しますが、ふと気づいて風呂場に戻ってみれば赤ん坊は溺死してしまっていました。あまりのことに、召使がとめるのも聞かず母親は首を吊り、残された父親は嘆きに嘆いていくらも経たないうちに死んでしまいました。
 ……なんなんだろう、これ。短い話の中でただひたすらに人が死んでいく。グリム童話に載っている話はグリム兄弟が様々な人から口頭で伝えられてきた話をまとめたものですが、どうしてこの話が伝えられてきたのかが気になります。どう考えても子供を寝かせるときにするお話じゃない。この世のつまらなさ、というのも違う。
 それとも、これが人の本性なのでしょうか。限りなく残虐で悲しい、やるせない話の中に歪んだ笑いを見出す読者の姿こそ、この話が本当に伝えたいものなのでしょうか。

 大変偏った意見になってしまいました。おかしいと思われたら是非教えて下さい。参考にさせて頂きたいです。

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